「あっち行って!」注意に逆ギレする子への対応は――子育てラクダQ&A(6)
子どもを育てていると、本当にたいへんなこともたくさんあるし、悩みが尽きないですよね。
「だれか正解を教えて!」って思うこともたくさんあると思います。でも、本当は子育てに「正解」ってないんですよね。じゃあなにがあるのか……といえば、たくさんのヒントです!
この連載では、子育てしている人たちのさまざまな悩みについて、子育てラクダ研究所のメンバーが一緒に考えます。
今回は保護者からの「かんしゃくを起こす子ども」への対応についての質問にささきさんが答えます。
相談
自己中でプライドが高く、少しでも注意すると逆ギレして「ママなんて大キライ! あっち行って!」と怒ります。自分の思い通りにならないとすぐにふてくされたり、かんしゃくを起こしたりします。家庭では仕方ないと思えても、保育園や療育施設でもそんな感じのようです。保育園の先生がわが子に疲れている様子も見られ、どう対応したらよいか困っていますし、保育園などで「自分の子が迷惑をかけていないか」と心配で申し訳ない気持ちになります。
回答(ささき)
かんしゃくを起こす背景
注意されていることの意味が理解できず、不快な経験を多くしている場合、働きかけに対して拒否的な反応しか示さないことがあります。意味が伝わらない中で、しつけとして働きかけることは、不安や拒否を強くしてしまうことがあります。
「かんしゃくを起こす」というかかわるための情報があるわけですから、その反応を理解するための取り組みが大切ですね。
対応
- 注意して状況を振り返り、お子さんが理解できていたかどうか考えてみることが大切です。
この振り返りは、親御さんがするのは難しいことで、客観的に発達や反応をみている園や児発に発達的な振り返りをしてもらい、どのような働きかけならかんしゃくをおこさずに受け入れられたのかを共有し、かかわり方を見直しましょう。 - しつけとして行う、諭す・時間的に長い説明・怒りをみせての説得などは、かんしゃくや拒否を強めてしまう可能性が高いと思われます。
「~しないでね」「~するとみんな嫌だからね」などのように、本人がやった行動を言語化し、まわりが思っている想いを繰り返し声掛けしましょう。
本人のためと想い働きかけていることが、精神的に追い込み社会への反発心を育ててしまうことにつながることも多く見られます。2の方法は、そのような反発心を生まないようにしながら、理解を促していくことになります。時間をかけることを大切にして下さい。
また、注意されたことに“過剰適応”していい子になるのではなく、「嫌なものは嫌」と反応できる関係性が育っているのは、お子さんとの関係性を大切にした中で安定したかかわりを育ててきた表れです。「逆ギレしても受け入れてくれる」という安心感があるからこそ、キレることができるのですね。その反応をマイナスではなく、次に育つための重要な反応として、働きかけ方を見直していくきっかけにできるといいですね。